実績紹介
加賀棒茶丸八製茶場 一笑(いっしょう)
石川県加賀市で156年以上の歴史を持つ加賀棒茶の丸八製茶場が1994年から金沢ひがし茶屋街で運営する茶房一笑のリニューアル。「お茶と人が向き合う場の創出」と「お茶に出来ることへの挑戦」をコンセプトに次世代に向けた新たな丸八製茶場のスタイルの確立を目指した。店内中央に据えられたカウンターは舞台のように周囲から切り取られた演出とし、スタッフのお茶を煎れる所作がより美しく伝わるように配慮した。また、カウンターの天板は特殊着色による銅板を使用し、ほうじ茶の澄んだ水や茎を焙じるための火を繊細かつ力強い印象として表現している。店内の壁面を墨漆喰調の左官仕上げ、什器のディテールはミニマムな構造とし、古い町家空間に現代的な要素を効果的に取り入れたモダンで心地よい雰囲気を醸成している。また、地元アーティストの坂野有美氏による棒茶の茎を組み合わせた構成の新たなロゴデザインやグラフィックを店内に設け、空間に調和とアクセントをもたらす効果も試みている。
北陸新幹線の開業以来活況に沸く金沢。急速に観光地化が進む中、本来の金沢の伝統や文化の奥深さを再度見つめ直し、新たな解釈をもって再定義したとても意義のあるプロジェクトとなった。
CREDIT
オープン | 2018年 |
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クライアント | 株式会社丸八製茶場 |
所在地 | 石川県金沢市東山 |
業務内容 | 店舗内装 デザイン・設計・施工/サインデザイン 設計・施工 |